未来が見えない

思い切って、聞いてみたのに。ダメだった。未来はなかった。八方ふさがり。どうしようもなく好きにならないように気をつけるか、好きになっても割り切れるように努力するか、やめるか。「すき」って言葉さえ、許されない。こんなにこぼれそうなのに。本当は、ほんの少しだけ、期待してた。「それは、無理だよ」「彼女として付き合ってって言うのには俺の気持ちが足りないのかもしれない」「独り占めしたいなら、他の男を探してくれ」…。わかっていたけど、すごく悲しい。こんなに悲しくなることに、驚きを覚えるくらい。悲しい。手放したくないのに、どの方向に進んでもつらくなるだけだなんて。幸せな未来が想像できないし、可能性も否定されてしまった。どうしたらいいの?私はどう生きていけばいいの?君はどう生きていくつもりなの?傷が深くならないうちにやめた方がいいのかもしれない。でも、手放せないよ。すっかり私に必要な人になってしまった。二人でいるときは、夢見させてくれる。元気をくれる。他の誰にもできないやり方で、私を満たしてくれる。つらいとき、心に浮かぶ一番で唯一の人になってしまった。だけど、少しずつ、好きな気持ちが膨らむにつれて、元気と一緒に、どうしようもなく悲しい気持ちが入り込んでくるようになって。一晩一緒にすごした後、ただ嬉しくて幸せなだけの気持ちには帰れなくなって。限界は近い。
私にとって彼は唯一なのに、彼にとって私は唯一じゃない。バランスを崩しちゃいけない約束だったのに、私のほうがどんどん重くなってる。「私は君の何なの?」って問いが封じられている。多くを望むことをためらってしまう。彼の望みはすごく叶えてあげたいと思うのに、きっと彼はそう思っていない。性欲、って言葉が脳裏をかすめる。セフレ上等って、ギブ&テイクだって、思ってたのに、欲張りになるのを止められない。余裕がない。どんどん立場が弱くなってく。がっかりされたくない、嫌われたくないって思うようになってく。だめだ、あの時と同じだ。